2014 02.25 Tue ヒイズ・野場・バーン＝ブレイク ＣＡＴＥＧＯＲＹ ：登場人物紹介「ハ行」

★ユーフィリア/伝導書簡★

　湘灘中学校2年。野場・ショウ・バーン＝ブレイク、野場シンの息子。

 

　双子の片割れにアキラがいる。幼い頃にアキラが攫われ、母は精神疾患で自殺したため、父・ショウは息子のためを思い、ヒイズに母は事故死したと教えていた。ましてや双子の片割れがいることは知らされず一人っ子として育つ。

 

 知能指数、情感指数ともに前代未聞の数字を記録した「THE EVOKER（齎す者）」。我々人類に何らかの「契機」を齎すほどの才能（ここまで来ると異能とまで言われた）を持って生まれたが、混乱を避けるため本人にもまた、家族にもその事実は告げられていない。
 

　父がアーバンデザイナーとして成功するまでも、した後も落ち着くまで、ヒューの弟子であるキリタヤの家に時々預けられ、キリタヤを父、彼の婚約者・シャンディランを母代わりに育つ。

 

　6歳の頃から父と住むようになったが、スリランカ暴動でシャンディランを失ったことは、7歳のヒイズの心に影を落とすことになる。

 

　幼い頃から一人遊びばかりしていた。「Lugh」というハンドルネームで世界の企業や政府のシステム相手に高度な「悪戯(クラッキング)」をしかけてストレス発散し、「魔神(Lucifer)クラスのクラッカー、Lucyの再来」として世間を騒がせていた。だが、その過程で自身の経歴について不明な事跡が多く、父が自分に対して大人の事情にしろ嘘をついていることを知るようになった。

 

　同居しだしてから親子関係はぎこちなかった。ショウの過剰とも言える愛情が照れくさいのもあったが、上記の関係で父親に不信感を抱いていることも原因の一つである。

 

　家庭ではアダルト・チルドレンであるが、学校では家庭でのストレスを発散する場所として大変ハイテンションな性格である。誰もが息をのむほどの美形ではあるが、動体視力以外の運動神経はやれば出来るのだろうが体力をつける気がないので低い。

 

　イトコのケイトに幼年より好意を抱いている。幼い頃はその気持ちを全開で表現していたが、思春期に入ると本人の前では正反対の態度を取っている。これは、彼の精神が幼いのではなく、大変高い情感指数によるもの。ケイトがトオルに思いを抱いていることを察してからは、彼女の気持ちを大切にしたいがゆえに身を引いている。

　逆に、トオルには周囲から誤解を受けさせるほど求愛に等しい友情を示しているが、これはケイトに構ってもらいたいという、彼なりの最小限の我侭の裏返しである。ケイトがトオルとシオンの仲を取り持つために奔走する一方で、ヒイズはケイトに協力するふりをして二人の仲を本気で裂こうとしていた。

　トオルに対しては、幸福な家庭、ケイトの気持ちを独占している存在として、友情の他に憧憬と羨望の対象で、一種複雑な感情を抱いている。

　母が正気に戻り、自分自身に双子が居ることが判明すると、密かに生死不明の片割れに語りかける形式で「日記」を書き始める。一人っ子として育った彼にとって、兄弟がいるということは希望となった。母のために、家族のために、何より自分自身のために、アキラを取り戻すことが目標となる。

　その後、アキラが生きていたことが分かると、敵となっても彼を命をかけて救おうとした。

　一度は剣道を父の願いから習うものの、「世界の頭脳の脳細胞が死滅するなんて/要は痛いからやだ」という理由で弓道に替えている。

　恥ずかしさから誰にも明かしてはないが、趣味は小説(ケイトは偶然から知っている)。小さい頃から書き続けている。

★ユートピア/黙示録★


　野場タカシの父。