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オリジナルストーリー『"U"LYSSES』後編の作品紹介。
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 時に西暦2144年(すでにこの切り口からぱくっている)
 

 

 

 世界は未曽有の危機に直面していた。

 発端は遡ること40年前。スリランカで地球温暖化の影響を受けた突然変異のフィロウィルスと、ニューロンウィルスが融合し進化、新型殺人ウィルスが発見された。その形状が「*リスティングの輪(Listing Loop)」に酷似していることから、「L2ウィルス」と名づけられたこのウィルスは致死率99%、感染者の命のみならず、殺人衝動を駆り立てる恐ろしいウィルスだった。

 


 対応に迫られたWHOは非常事態宣言を発令、L2ウィルスが全世界に広がることを阻止するため、スリランカを封鎖という手段を取るしかなかった。当時ケンブリッジ大学に在籍していた日系イギリス人、諏訪・ヒュウ・バーン=ブレイク博士が、自身の提唱した新生理学理論「ヘルメス理論」を応用し、「カドゥケウス・ワクチン」の早期開発に成功。被害は最小限に食い止められた。

 それと引き換えに、スリランカ国民の人口は10分の1にまで激減した。さらに感染者が作成したコンピューターウィルス「L2ヴァイラス」が全世界のコンピュータを機能不全に陥れていた。世界恐慌・紛争・人災・天変地異…世界人口も最終的に3分の1と、ペスト以来の大災害となる。この災害は後に「スリランカ・パンデミック」として人々の記憶に深い傷として刻まれた。

 30年が経ち、スリランカ・パンデミックからようやく人類は復興の道を歩みだしていた。オックスフォード大学に在籍していた在英スリランカ2世の科学者、キリタヤ・スターヴリング・ディヤナーラジャ博士は、祖国を切り捨てた世界への報復を画策していた。自身が主任として携わるテラフォーミング計画が行われている月基地に、L2ウィルス・L2ヴァイラスをひそかに持ち込み、生体実験を繰り返した。結果、ウィルスは、人類を滅ぼすという本能をもった巨大生命体へと進化し、月を完全制圧した。一連の災害は「ルナ・パンデミック」と呼称された。

 2131年、国連は上記生命体を「アルコーン」と命名、人類全体のせん滅目標と定め、月のテラフォーミング[「LARK」計画を破棄し、隔離した。アルコーンの地球襲来「テラ・パンデミック」を阻止するため一度は月に核兵器による集中攻撃が実行された。

 だが、アルコーンせん滅には至らず、アルコーンのダメージ自己回復という時間稼ぎが関の山であった。

 更なる核攻撃は、各国の諸事情や環境への影響、新たな核開発競争の懸念、そして何より、月と一体化し、宇宙空間すら対応しだしたアルコーンは、核攻撃への耐性すら獲得し、核兵器によるダメージそのものが期待できないことからこれを断念、量子力学とヘルメス理論を基に対アルコーン決戦兵器の開発と組織編成に着手した。

 2139年、対アルコーン迎撃特務機構「クロノス」が発足、日本の常任理事国入りを条件に、日本神奈川湘南地区を国際特務特区とし、その沖合に対アルコーン迎撃要塞ギガフロート計画都市「新ミナトミライ」を5年後目途に大開発後、仮本部が置かれているハイバーンランドのダブリンからの移設が決定。「クロノス」の建設と、対アルコーン汎用人型迎撃兵器「ゾア」の建造が始まる。

 そして今、新潟の孤児施設で育った高校生一年生・砂原アルマは突如ゾアのパイロットに選出され、アルコーンとの戦いに巻き込まれていくのだった。


*リスティングの輪
私たちの世界で言う、メビウスの輪のこと。こちらの世界では、第一発見者ヨハン・ベネディクト・リスティングにちなんで名づけられた。
(現実でも、第一発見者はリスティングであり、メビウスも著書の中で彼が先に発見したことを断っている)
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